大阪地方裁判所 昭和33年(ワ)5469号 判決
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【判決理由】まず、被告後援会の当事者能力について判断するのに、<証拠>を総合すると、被告後援会は、訴外武智鉄二の演劇を推し進め、同人の意図している国民演劇文化の向上をはかり、かつ、会員相互の親睦をはかる目的のもとに、昭和三二年一月一七日、被告平山亮太郎その他九名の発起人によつて、設立されたこと、その会則によれば、その組織として、評議員会、幹事会および会長を置き、評議員会は被告後援会の諮問機関(意思決定機関と認められる。)として年二回開催され、評議員は有識者、文化人の中から幹事会の推薦により選任されること、幹事会は意思決定および執行機関であつて毎一回開催され、幹事は評議員の中から選任されること、会長は幹事の中から互選によつて選任され、被告後援会を代表すること、そして、一定の入会金を拠出した者を会員とすること、その他に事務局を設け、幹事会の決定したところに従つて日常業務を遂行すること、会の運営は、会員の拠出した入会金および所定の会費によつてなされることなどがそれぞれ定められていること、前記設立日における設立代表発起人会において、被告平山が被告後援会の会長に選任されたことが認められる。
以上の事実からすれば、被告後援会には、一般会員による議員に相当する機関を欠くけれども、前記評議員(昭和三二年二月二三日現在において一四九名)の殆んどは、同時に会員の地位をも兼ねていることが窺われ、従つて評議員会は実質的に会員の意思を表明し得る機関とみてさしつかえないものと考えられ、これらの事実からすれば、被告後援会は、法人格はないけれども、代表機関、意思決定および執行機関をそなえ、かつ、構成員の変動があつても、なお同一性を保有しつつ存続し得る団体、即ち社団たるの実体を有する団体であると認められるから、民事訴訟法第四六条により当事者能力を有するものというべきである。次に<証拠>によれば、被告後援会は、昭和三三年一〇月一〇日開催の臨時幹事会において解散決議をしたことを認めることができるが、民法第七三条によれば、解散した法人は清算の目的の範囲内において、清算結了に至るまでなお存続するものとみなされるのであり、右は権利能力なき社団に関しても同様に解すべきものであるところ、被告後援会の清算手続がなお結了していないことは本件訴訟が尚係属していることからも、明らかである。従つて、被告後援会は清算の目的の範囲内でなお存続し、本件訴訟においても依然として当事者能力を有するものというべきである。(喜多勝 佐藤栄一 安藤正博)